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就学前にはぐくみたい「生きる力の基礎」

2014年12月11日

ページ番号:38754

こどもにはぐくみたい5つの力

 本プログラムが育成をめざす「生きる力の基礎」とは、1章でふれたこどもを取り巻く環境と社会の変化の中にあっても、大阪で生まれ育つ全てのこどもたちが、心身のすこやかな成長を通して、やがては社会の中で自立し未来を切り拓いてはばたいていける力、そしてそのような力を自ら身に付けていくことができる力を「生きる力」と位置付け、その基礎として乳幼児期からはぐくんでいくことが望ましいと思われる資質などのことです。

 「生きる力」の主な内容は、国の中央教育審議会がかねてより示しているように、

・たくましく生きるための健康や体力

・自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力

・自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性

などが考えられますが、言うまでもなくこれらは一朝一夕に獲得されるものではなく、生涯の早い時期から、成長のそれぞれの過程にふさわしい働きかけの中での積み重ねが必要です。

本プログラムでは、就学前にはぐくみたい「生きる力の基礎」を、次の5つの角度(5つの力)から見ていくこととします。

 

<愛情たっぷり! 愛着形成> (養育者との愛着形成)

ここではぐくみたい愛着は、保護者や保育者などの養育者との間に生まれる心の絆で、こどもが身近な人たちの具体的な行動を通して愛情を感じる中で育ちます。愛着の対象となる養育者は、こどもが他者や外の世界にかかわっていく際に、必ず自分を守ってくれるという「心の安全基地」として、行きつ戻りつを繰り返しながら徐々に世界を広げていく拠り所となります。また、愛着形成による安定した情緒と人への信頼感が、他者への共感や同情、人から学ぶ姿勢、自分自身への信頼などにつながる芽を育て、その後の自我、意欲、社会性など、心の成長・発達の土台として、生きる力の基礎となります。

 

<すっきり、すこやか 生活習慣> (基本的生活習慣の育成)

基本的生活習慣は、人間が健康で安全、快適な生活を営む上で基本となるものであり、乳幼児期から望ましい生活習慣を身に付けていくことがその後の心身の健康と生活の充実の基盤となります。睡眠、食事、排泄、清潔、安全、衣服の着脱、整理整頓、あいさつなどの基本的生活習慣は、愛情に支えられた安全な環境のもと、規則正しく生活することで体得されます。また、こどもの生活リズムは、家族の生活リズムに大きく影響されるものであるため、家庭の状況を踏まえつつ、こどもの育ちにとって必要なことを大切にしながら整えていくことが望まれます。

 

<自我の芽生えは出会いから、出会いがつくる社会性> (自我の芽生えと社会性の芽生え)

 人間は人とのかかわりの中で自分自身を形成していきます。こどもは、周囲の環境とかかわる中で、自分というものの存在に気付き、やがて欲求や意思を主張し始める自我が芽生えます。そして、他者と出会い交わる中で社会性が芽生え、自我の芽生えと相まって自分の行動を律していく自律の土台をつくります。自我の芽生えと社会性の芽生えは、さらに多様な他者とのかかわりを通して人間関係を調整していく力の基礎となります。

 

<わくわく じっくり ひろがる世界> (外の世界への積極性と学びへの意欲)

 外の世界への関心をもち探索を広げていくこと、体験を通して新しいことを知り、さらに興味をもって環境にはたらきかけていくことが、こどもの活動への意欲を高めます。生きる力の基礎が培われる乳幼児期には、身体感覚を伴う多様な体験を積み重ねながら、豊かな感性とともに好奇心や探究心や思考力がはぐくまれます。繰り返したり、試行錯誤したりしながら、いろいろな遊びや生活を心ゆくまで楽しみ、新しいことを身に付けていく満足感や達成感を味わうことで、自分のできることや可能性を広げていくことができます。

 

<わたし大好き! みんな大好き!> (自分も他人も大切にする心)

愛着を形成し、自律の土台と積極性を身に付けていくことを通して、こどもたちは自分が大切にされていると確信し、自分を前向きに捉え、自信をもつ「自己肯定感」を感じるとともに、大切な自分と同様に他者も一人一人が大切であることに気付くようになります。こうして自分も他人も大切にする心が育つことが、こどもの心身の成長に好循環をもたらします。

 

はぐくみたい5つの力のイメージ

 これらの5つの「生きる力の基礎」は、一つ一つが別々に完結しているでのはなく、お互いに関連しあって、影響を与え合いながらはぐくまれているものです。その際、愛着と基本的生活習慣の形成は、5つの力のうちでも特に基本的な側面が強く、それらの土台の上に、続く3つの力が大きく実っていく幹となると思われます。
 これらの力を、こども一人一人の発達の道筋に沿ってバランスよくはぐくむことによって、学齢期以降に接続していく、総合的な「生きる力」の礎(いしずえ)となります。 

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